エッセイストの岸本葉子さんによるお買い物エッセイです。
「買っちゃえ!」悪魔のささやきが聞こえる。ルンバ、オイルヒーター、ミネラルファンデーション、チップスクッカー…etc.感動の商品をさがし求める「お買い物道」エッセイ!!(Amazon.co.jpの商品紹介ページより)
語り口は軽妙で、大変に読みやすいです(ですます調の混在が多発するのは、ちょっとね・・・とも思いましたが)。商品説明などは「さすがプロの物書きだわ」と感心させられました。ものの描写や文章のテンポの取り方などは、とても勉強になります。
しかし、如何せん、登場する商材がイマイチ。
お買い物エッセイを構成する要素は三つ。「商材」、「商品説明(の妙)」、「体験談」です。ほとんどのインフォマーシャルはこの三つの要素でできているといっても過言ではない。三要素が有機的に絡み合ってはじめて消費者の心をぐっと掴み、「ポチッ」を発生させることができるのです。しかし、残念なことに私は、取り上げられていた商材にときめきを感じることはなく、なんとなく本書への評価もイマイチのところで止まってしまいました。
まあね、本書はインフォマーシャルじゃなくってお買い物エッセイなのだし、ポチッと押さずに済んだのは幸いではないの?とも思うのですが、暇さえあればアマゾンパトロールを欠かさないお買い物大好きな私です。少し熱に浮かされるところも欲しかった。
どんな商材を扱ったのか?といえば、ルンバ、アウトレット、手作りアクセサリー、毛玉取り器、サラダ用水切り器などなどがありました。うーん、ときめかないわー、などと改めて振り返ってみて、改めて気がつきました。
すでに持っている物だったり、体験してきたものばっかじゃない。
商材自体に食指が動かないのも、当たり前か・・・。
岸本葉子さんは1961年生まれ。ちょっと上の世代ながら、経験してきた時代の空気は似たようなものということでしょうか。ぐちゃぐちゃと語ってきた商材についてではなく、商品説明(の妙)と体験談の面白さという二点は、十分に満足のいくものでした。人気のエッセイストさんであるというのも納得です。
ところで、各エッセイの最後に出てくる「今回のお買い物>評価」というイラスト。これ、意味がよくわかりませんでした。これ、必要?
カエルさんはお買い物が大好き