映画『ラッシュ/プライドと友情』を観てきました。
『ラッシュ/プライドと友情』(Rush)は、1976年のF1世界選手権でのジェームス・ハントとニキ・ラウダのライバル関係を題材としたロン・ハワード監督、ピーター・モーガン脚本による2013年の伝記アクション映画である。クリス・ヘムズワースがハント、ダニエル・ブリュールがラウダを演じる。Wikipedia公式サイトをクリックすると紹介映像が流れます。映画の内容は、この紹介映像をみると大筋わかってしまう代物です。実際の出来事をなぞった作品で、知ってる人には知ってるよ、というストーリーなのですが、舞台はF1。しかも特異な才能をもつ二人を主人公に据えた話です。面白くないはずはない。面白かったです。
しかし、どんなに面白いストーリーだとしても映像にすると愚作になってしまうのが映像化の恐ろしさ。映像に凝りすぎて観ると疲れてしまう作品や、事実を忠実に描こうとして記録映画になってしまうケース。さらには要素を盛り込みすぎて何がいいたい作品かわからなくなってしまうケースもあり、Baed on true storyの映像化も容易ではありません。
こうした「迷い道くねくね」に嵌らずに、観るものをハメる映画を、ロン・ハワード監督はつくってくれました。ブラボーと言わずにはいられません。
私は、映像作品にあまり集中できない子で、たとえば家でDVDをみましょうというときなどはストーリーに入り込めずに苦労することが少なくはありません。映画館で観るときは少しはマシなのですが、暗い空間に気持ちよくなってしまった結果、いろいろなことを思いついてしまって「ぼ〜んや〜り〜」と別のことを考えてしまうこともあったりします。つまらない作品の場合は、基本的に寝ますし。
この作品には、映画がはじまってすぐ!本当にスグ!映画に入り込むことができて、それが122分間ずーっと続きました。とにかく面白かったです。まだ2月ですが、私の中では今年のナンバーワンだと思う。映画館で映画を観たのは昨年末以来だがな!
どうしてそんなに「ハマる」ことができたんだろうと考えてみると、それは違和感を感じるところがあまりなかったからじゃないかな?という考えに至りました。この映画のように際立つ個性を題材にする作品では、各々の要素が際立ちすぎてしまい、まとまりがなく入り込みづらい作品になってしまうことが珍しくはない。俳優さんが下手だと浮いてしまって、下手さ加減がやけに気になることもままあることです。しかし、この映画では、あるべきものがあるべきところにスッキリと納まって、「あれ?」と感じる隙はほとんどありませんでした。
成功要因の一つは、映画の殆どのシーンを1976年に絡めてきたことではないかと思います。二人はどのように1976年のF1シーズンを迎え、どう戦ってシーズンを終えたのか。ここに描写を集中させることで、この二人の人となりについて私なりに心を巡らせる結果となり、逆に深く印象に残ったようです。
The Telegraph Niki Lauda: 'I wish James Hunt could have seen Rush because he would have enjoyed it' |
ハントは1979年のシーズン途中で現役を引退しました。一方のラウダは3度の世界チャンピオンに輝いた1984年から1年して現役を引退。引退後もF1に関与し続けているようです。
映画では「走れなければ意味がない」っぽい台詞があったハントは、あっさりとF1を引退。対照的に、「レースにこだわっているわけではない」と呟いていたラウダは今でもご意見番的な存在。人生のある時点を切り取ってみたところで、人の複雑な心や長い人生を語ることはできないんだな、としみじみと考えさせられた映画でもありました。
ご参考:
・これは楽しめますよ!RUSHを楽しむために知っておくべき10のこと↓
10 things you need to know about James Hunt, Niki Lauda and RUSH
・すみません。ベッタリ貼付けちゃった。似てますね〜。他にもいろいろ画像ありなので、楽しめます。