DVDで『エリジウム』を観ました。
『エリジウム』(Elysium)は、ニール・ブロムカンプ監督・脚本による2013年のアメリカ合衆国のSF映画である。荒廃してしまった地球とエリジウムと呼ばれるスペースコロニーを舞台とする[3]。出演はマット・デイモン、ジョディ・フォスター、シャールト・コプリーほか[4]。製作費1億1500万ドル。wikipediaストーリーはよくあるかんじのものだったと思います。格差社会が進んだ未来。選ばれた人間は豊かな生活を送り、そこに入れないものは貧しい生活を強いられている。機械(ロボット)を操る人間と、機械に押さえ込まれて暮らす人間。不平等ながら均衡がとれているこの世界に、余命5日となったひとりの男が挑む・・・・的な。
主演はマット・デイモン。「マット・デイモンって好き?」と聞かれれば「そうでもない」と答えるのですが、出演作は何作も観ています。理由は、この人の出演作選別眼を信用しているから。何を観ても、それほどのハズレはなかった記憶が強くて。
この映画も、ハズレではない・・・。面白くないわけではない。
しかし、何だろう、この物足りない感じ。
なんだか全体的に、納得がいかないというか。重厚で丁寧なビジュアルも(ビジュアルは楽しめました。制作費がたくさんあったからか?)、贅沢な出演者も( とか。この人も面白い映画ばっかり出ていた記憶があるのですが、それも過去のことになってしまった)、オマケ感すら出てくるという・・・。
おそらく、医療における格差というのがメインテーマなんだろうと思われます。しかしながら、比較的恵まれた福祉制度を有する日本に住む私は、米国のこの問題の根深さというのを肌感覚として理解できていないというわけで。これをエンターテインメントとしてラッピングされてしまうと、映画に散りばめられていたのだろうと思われる(きっと何か散りばめられていたのだろう)各要素が謎のまま。結果として、「よくある話だなあ」としか思えませんでした。
まあ、問題は観る側(私)にあったのかもしれません。ビジュアルは好きなカンジでしたし、メカがばりばり登場するので、メカ好きな方にはオススメかも。ちなみに驚異的な身体能力を発揮できる第3世代のエクソ・スーツなるものを装着したマット・デイモンの「異形感」は気味が悪さが吹っ切れていて良かったです。お金持ちのエリジウムの住民を怖がらせるには十分な嫌なカンジだと思われ、デザイナーさんのセンスの良さを感じます。
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これ↑は格好良く見えますが、実際にこんな人を観たら叫ぶわ |
しかしねえ。SF映画が描く未来の、この絶望的なカンジは何なんでしょうね。
これだけ「世の中を良くしましょう」「格差はよくない」とか言っている現在の延長には、結局はダメな未来しかないんかい!?とツッコミを入れたくなってしまいます。まあ、みんな平等で楽しい未来はドラマにならないかもしれないし、そうならないためにエンターテインメントの中で社会問題を描いているんだろうけれど。
「アメリカの富の分配はこんなかんじですよ」という動画
■エリジウム- オフィシャルサイト
「摑み取れ、自らの運命を」というのが日本でのキャッチ。そういう視点でこの映画をみると、観終わったときに「自らの運命を摑み取ったら、自分はこうなっちゃうの?」と思う若者が登場するのではないか?
ロボットスーツを装着 Cool Crittersより転載 |